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日本産シャクナゲの繁殖法

 繁殖は実生が最も自然で一度にたくさんの苗が得られ、生育過程を観察しながら各種の特性と栽培の基礎技術を習得できる反面、発芽
率が低いのと培養に手間がかかり、開花まで早くて5〜6年から10年以上の長い年月を要する。挿し木は簡単そうに思えるが、取り木や
接ぎ木と同様に多少の経験と技術が必要である。
実  生
タネの準備に付いて
 シャクナゲ属の種蒔き、シャクナゲの種まきは、4月〜5月の開花時期に、オシベの花粉をメシベに受粉させ、10月〜11月頃(地域に
寄っては異なる)種を採取する。『好みの品種と品種を交配し新種などを作る楽しみもあります。』この際交配しメシベには、ポリ袋
などで覆い他の品種が交配されない様注意が必要です。

@タネの採取
 タネは10月中旬〜11月中旬までに採取する。刮ハのくぼみに鋭利なナイフで切り込みを入れて自然乾燥すると、10日ほどで先端から
割れ、タネが出てくる。よく乾燥させてから播かないとカビが生じやすい。温室かフレームがあればすぐ播けるが、なければ翌春まで
タネを低温で保管しておけば良い。
A播き床と用土
 播き床は素焼き半深鉢か浅い木鉢が良い。木鉢は通気性・保温性に優れているがほとんど販売されていないので、日曜大工で作る。
防腐剤は使用しないで軽く焼くだけで良い。用土は山砂かミズゴ ケが良く、ここでは素焼き半深鉢とミズゴケ使用を前提に説明する
。 まずミズゴケをバケツに入れて水洗いし、手でしぼって水切りした後で細かく刻む。これを鉢に厚さ3pくらいに硬く敷き詰め、た
っぷり灌水してからタネを薄く平均に播く。播種後は簡易フレームに入れるか、室内で管理し発芽するまでミズゴケを乾かさない。一
度でも乾かすと発芽が悪くなる。順調にいけば1ヵ月前後で発芽する。発芽後は灌水を控え目に、ミズゴケは  湿り気を保つ程度で
良い。それには灌水とは別に、日に1〜2回噴霧器による噴霧が効果的である。

B幼苗の移植
 本葉が2〜3枚出た頃、新しいミズゴケに植え替える。移植の前日は灌水や噴霧を中止し、ミズゴケを乾き気味にしておくと作業が
しやすい。苗の根元をミズゴケごとピンセットではさんで抜き取り、新しいミズゴケを入れた鉢に植え付ける。安全のためしばらくフ
レーム内か室内の日当たりの良い場所で管理する。フレームの場合は温度の上昇に合わせて、換気や灌水を調節してやる必要がある。
5月に入ったら木洩れ日の射す日陰に移して管理を続ける。肥料は4月と5月に、ごく薄い液肥を1回施す。こうして6月上旬に第2
回目の移植を行う。移植後は秋口まで無肥料で、葉焼けを起こさせないように注意して管理する。越年した幼苗は3月に第3回目の移
植を移行う。要領は前回と同じであるが、培養土はミズゴケから土に変える点が異なる。根と絡み合ったミズゴケをピンセットで丁寧
に抜き出し、根の先端を少し切り詰める。前述の用土で、素焼き5号平鉢で14〜15本を目安にを広げ、葉が触れ合わないよう浅植えに
する。灌水以外に噴霧を並行すると活着が早まる。本来シャクナゲは移植を嫌うが、実生培養では3回の移植を行うのがコツであり、
特徴でもある。苗木として扱われるまでには、少なくとも2〜3年はかかる。
シャクナゲからもぎ取る。 さやから種を取り出す。 土を準備する。 鉢の底に鹿沼大粒を引く
準備した土をいれ軽く均す。 種を均一に蒔く被せ土は不要 ガラス板等を乗せ湿度調整 直射日光を避ける、新聞紙
シャクナゲの成長過程(ヤクシマシャクナゲ)

右から1年生・2年生・3年生・4年生・5年生・6年生--早いものでこの辺から開花が見られます。(ヤクシマシャクナゲは成長ガ遅い)
 実 生 苗 の 植 え 替 え
鉢にゴロ土、用土を入れる。 ピンセットで実生苗の回りの土をやわらかくする。 実生苗の根をさぐる つまみ上げる
新しい用土に穴をけ、根を広げてすえる 土をかけて押さえる 植え終わり、潅水する 植え込み断面から見た図

実生苗2回目以降の植え替え
根をいためないように堀り上げた状態 根をきれいに洗って植え付けてもよい 底にゴロ土を入れ、用土を鉢にいれる中央を高めにする 苗の根を広げて用土をかける、根の間に土をよくいれる
                                 
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