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日本シャクナゲの自生地と種類
有鱗片の写真は此方で見ることが出来ます。

 ツツジ属(Rhododendron)は大きくヒカゲツツジ属(有鱗片シャクナゲ属)とツツジ属、無鱗片シャクナゲ属、セイシカ属、エ
ゾツツジ属に分類されるが、便宜上常緑性のものの一部がシャクナゲと呼ばれている。すなわち、日本で「シャクナゲ」と呼ばれ
るものはホンシャクナゲの仲間(無鱗片シャクナゲ節)に限られ常緑であってもそれ以外の殆どは「シャクナゲ」とは呼ばない。

セイシカシャクナゲ

  沖縄県の石垣島や西表島の谷沿いの広葉樹林の林縁部に自生するほか、外国では東南アジア諸国に分布するスタニウム系に含ま
 れるシャクナゲである。高さは2〜4mくらい、時には7〜8mに達する小高木で、幹の直径は20p以上になる。葉は枝先に7〜
 8枚が輪生し、両面無毛で光沢がある。花は聖紫花(セイシカ)の名にふさわしい上品な淡い桃色で5裂し、径6pくらいの大輪
 を枝先に3〜4個開く。また奄美大島にはセイシカの変種で、花冠は白に近いクリーム色で、花柱に毛があるアマミセイシカが自
 生している。

エゾムラサキツツジ
  国内では北海道のみに自生するほか、外国では朝鮮半島、中国北部、シベリアなどに分布する。半常緑性の低木でよく分枝して
 株立ちになる。高さは1〜3mくらいで、小枝には細毛と腺状鱗片がある。枝先に数枚の葉が残って越冬し、葉腋に1〜5個の花
 を付け半開し花弁は5枚で縁はやや波打ち抱え咲き、雄しべは10本で、花糸の基に白い毛がある。刮ハは長楕円形で鱗状毛が密
 生する。 花は葉が開く前の5〜6月、紅紫色で径2・5〜3p、ほぼ種はトキワゲンカイの別名をもっており、また十勝、北見
 地方で発見された白花をシロバナエゾムラサキツツジと呼んでいる。

ゲンカイツツシ
  岡山県以西、四国北部、九州北部、対馬の山地岩場に生えるが、福岡県の英彦山や犬ヶ岳が野生地として有名である。外国では
 朝鮮半島に分布する。高さ1〜1・5mの落葉低木で、若枝には赤褐色の鱗状毛が密生し、白色の長毛が散生する。葉は互生して
 厚く、葉身は3〜6p、幅2〜3pくらいの広披針形で先はややとがり、両面や縁に長毛が散生する。花は3月中旬〜4月上旬、
 葉に先立って淡紅紫色の花を広漏斗型で皿状に広く開く。花冠は5裂して径3〜4p、筒部外面に白色の軟毛を生じ、雄しべは1
 0本で花糸の基部に白毛がある。刮ハは円柱形で鱗状毛が密生する。

カラムラサキツツジ
  中国地方と九州北部に自生する高さ1〜2mの落葉性低木で、小枝と葉には腺状鱗片と微毛があり、特に若枝と葉には粗毛を散
 生するが、のち無毛となる。葉はやや硬いが厚くなく、狭長楕円形で先端はややとがる。下面は淡緑色で、秋は紅葉し枝先の葉が
 わずかに越冬するのもある。  花は枝の上部の芽鱗から単生し、広漏斗状で径4〜5p、葉に先立って紅紫色の花を開く。

サカイツツジ
  日本では北海道の根室地方の湿原にわずかに湿性植物と混生している常緑低木である。高さは50〜100pで枝は細くて分岐
 し、若枝には赤褐色の鱗状毛が密生する。葉は枝の先に集まり互生、葉身は長さ7〜20oの狭長楕円形で先端は円い。縁は鋸歯
 が無く革質で、裏は腺状の鱗片があって褐色である。花は6月、枝先に付く1個の花芽から数個の花が開く。花冠は濃紅紫色で5
 裂し、裂片は広楕円形、雄しべは1010本、花糸の下部に白色の軟毛が密生する。刮ハは卵形で赤褐色の鱗状毛が密生する。和名
 は旧日本領であった樺太の北緯50度と、ロシア領との国境で最初に発見されたことに由来する。以上日本産シャクナゲの種類と
 特徴を説明してきたが、変種や交雑種、自生地の地域名で呼ばれているものが多いので見落としたものもあろうが、それは読者の
 助言を得て補足し発表したい。


更に写真等を見る場合は「ツツジ・シャクナゲの魅力」【シャクナゲの色々写真集】シャクナゲ編を参照下さい。
               
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